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令和7年度 トピックス一覧

令和7年5月 TOPICS
脱毛を防ぐには

清水医院 今月のコラム

 最近、脱毛にお悩みの方が多いようです。巷では、様々な対応策が提案されていますが、基本的には睡眠、食事、運動の3点に絞られると思います。
 まず睡眠ですが、理想的には7時間の睡眠、できれば質の良い睡眠を得ることです。しっかりと眠れると成長ホルモンが十分に出て、身体の弱った部位の修復を行ってくれます。脱毛予防においてもいえることです。
 次に、食事です。髪の毛本体の質、髪の毛を支える毛穴周囲の環境が整わないと脱毛しやすくなります。栄養素的にはタンパク質、ビタミンB群、亜鉛、マグネシウム、鉄、ビタミンCが必要です。例えば、赤身のお肉や赤身の魚にレモンやかぼすなどのビタミンCが豊富な食材を加えることも一案です。ビタミンCがあると鉄やアミノ酸などの吸収が効率的になります。また、3食きちんと食べる習慣をつけることも大切です。
 最後に運動です。定期的な運動が望ましいでしょう。特に食後に10分程度の運動は、血糖値の乱高下を防ぐ意味でも、また血流促進の意味でも望ましいと思います。
 頭皮や毛髪ケアーについては、刺激性の少ないシャンプーで髪の毛の汚れを落としたり、頭皮の血流を促進したり清潔に保つ意味でもソフトタッチの頭髪頭皮ケアーが望ましいと思います。
 いつもご提案させて頂いている、睡眠、食事、運動の視点が脱毛予防にも言えることだと思います。

R7年4月 TOPICS
免疫力向上には生活習慣の改善から

清水医院 今月のコラム

 感冒、インフルエンザ、コロナウイルス感染症などの後に、なかなか改善しない咳について、先月は触れてみました。今回は、感染症に罹患しにくいようにするためにも、皆さんの免疫力が整っていなければ、何度も体調不良に陥ってしまいます。まず気をつけることは生活習慣の改善であると思います。
自分の自然免疫能を上げておくことが大切です。具体的には、
① 食事について
腹八分目、よく咀嚼すること 1口30回
○血糖値の乱高下が起きにくいようにする意味で、甘い物や果物を空腹に取らないように、できれば食後にとってその後、身体を動かして血糖値の急上昇を予防する
○必要充分な栄養素を取る 特に、ビタミン(ACE+D)とミネラル(鉄と亜)鉛) 最も大事なタンパク質 (1-1.5g/体重1kg) これらは粘膜免疫の向上に必要です。赤身のお魚や赤身のお肉、緑黄色野菜などバランスの取れた食材の選択が望ましいと思います。
② 生活習慣の改善
早寝早起き 質の良い睡眠は傷ついた体の各所の修復を眠っている間に修復してくれます。メラトニンや成長ホルモンがしっかり分泌されるように早寝早起きに心がけて頂ければと思います。
適度な運動も必要です。筋トレやゆっくりペースの散歩もお薦めです。
自分の健康は日々の養生から得られると思います。

R7年3月 TOPICS
原因がはっきりしない頑固な咳

清水医院 今月のコラム

 感冒、インフルエンザ、コロナウイルス感染症などの後に、なかなか改善しない咳が多いようです。精密検査を受けても胸のレントゲン検査や喀痰の細菌や細胞の詳しい検査を受けても原因がはっきりしない頑固な咳の相談が増えてきています。
 原因がはっきりしない頑固な咳の背景には、生活習慣の歪が少なからず関係しているように思います。
 まず、①僅かな炎症が残っている場合、呼吸器系にほんの僅かな炎症が残っていて乾燥傾向になっている状況で、十分な睡眠をとり3食きちんと食べて安静身体を休めることが肝要です。漢方では、柴胡、黄連、竹じょ、麦門冬、人参、香附子などの生薬を含んだ漢方製剤が使われることがあります。

② 胃腸の疲れが原因で消化不良を来しやすい方です。腹八分目、よく咀嚼することが一番です。漢方なら朮、茯苓、人参、甘草などを含んだ胃腸の働きを整える薬(補脾剤)が挙げられると思います。

③ 胃腸や肺や気管支が冷えている場合です。肺中怜といって胃腸や呼吸器系が冷えて咳き込む場合ですが、温性食品を心がけて食卓に並べることが良いでしょう。また乾姜や甘草を含む身体の芯から温めるパワーを持った補脾剤が使用されることもあります。

④ 身体の老化のスピードが加速し始めると呼吸筋のはたらきが落ちて咳き込みが起こることがあります。東洋医学的には、腎虚と言って吸気時に咳き込みが起こることが特徴です。睡眠時間をしっかり取って早寝早起きにより体内時計を調節することが大切です。また、筋肉が落ちないように身体のバランスに応じた蛋白質やビタミン、ミネラルを食事で補いながら、血糖値の乱高下が起きにくいようにする意味で、甘い物や果物を空腹に取らないように、できれば食後にとってその後、身体を動かして血糖値の急上昇を予防することが大切です。漢方では地黄を含む補腎剤が使われることがありますが、胃腸が弱いかたには避けた方が無難でしょう。

⑤ 精神的なストレスを発散できずに、ため込んでしまった場合にも、頑固な咳が続くことがあります。緊張のため胸郭や首周りの呼吸に関わる筋肉の動きに乱れが生じてしまい咳き込むケースです。早寝早起き、適度な運動、規則正しい食生活のもとで、自律訓練法、ヨガ、マインドフルネスなど呼吸法を加えることによって自律神経のバランスが整います。その結果、交感神経過緊張が是正されて咳が和らぐことがあります。漢方では肝鬱(交感神経の緊張)を緩める柴胡、芍薬、香附子、枳実、陳皮などを含む解鬱剤が使用される場合があります。

 まとめると、①微かな炎症が残っている場合、②胃腸の働きが低下した場合、③胃腸や呼吸器系が冷えている場合、④老化のスピードが加速し始めた場合、⑤精神的な緊張、ストレスが高まった場合、これらの状況下で頑固な咳が起こりえます。頑固な咳の精密検査を行っても原因がはっきりしない頑固な咳の誘因として生活習慣の是正を行うことで、また場合によっては東洋医学的なサポートを行うことによって症状が好転するケースもあり得ます
 なお、漢方製剤については、個々人によって証が異なりますから、必ずかかりつけの先生にご相談されることをお勧め致します

R7年2月 TOPICS
栄養素と具体的な食材について

清水医院 今月のコラム

 前回はどのようにすれば健康を維持増進できるのかについて触れてみました。患者様から必要な栄養素とその栄養素を含んだ具体的な食材について紹介して欲しいとのご要望がありましたので、今回は食材について触れてみたいと思います。血液検査の結果を踏まえて、どのような栄養素が不足しているか概略が分かりますので、不足した栄養素を含んだ食材補うことが大切です。
しかし、栄養素不足は結果であって、不足をもたらす誘因となっている日常生活の上での問題点。例えば、食事の仕方や運動習慣、排泄状況、睡眠状況など、是正したほうが良い点があれば少しずつでも改善対策をかかりつけの先生にご相談なさることも肝要かと思います。
 ちなみに、具体的に各栄養素を含んだ食材の概略は以下の通りです。ご参考まで。

□ タンパク質   (肉、魚、卵、豆類)
□        (赤身の魚、赤身の肉)
□ ビタミンB群  (赤身の魚、赤身の肉)
□ ビタミンC   (レモン、ゴーヤ、キウイ、キャベツ、ピーマン)
□ ビタミンE   (サーモン、鰻、アーモンド、カボチャ)
□ ビタミンA   (人参、レバー、鰻)
□ ビタミンD   (干し椎茸、秋刀魚、鮭、ちりめんじゃこ)
□ 亜 鉛      (牡蠣、牛モモ、豚レバー)
□ マグネシウム  (大豆、アーモンド、ナッツ、玄米、干しひじき)
□ カルシウム   (乳製品、干しエビ、水菜、菜の花)
□ 脂質:コレステロールと中性脂肪 (乳製品、肉、青魚)
□ 食物繊維    (野菜、海藻)
□ 炭水化物:糖質 (米、芋、麦)

R7年1月 TOPICS
食事を整えることから健康維持増進を

清水医院 今月のコラム

 寒さが厳しいこの頃、インフルエンザ、コロナ、マイコプラズマなど感染症から身を守ることが大切だと皆さん思っておられると思います。今回は、どのようにすれば健康を維持増進できるのかについて触れてみます。食事睡眠運動の3本柱が要です。その中でも今回は食事についての格子について触れてみます。
 まずは①血糖の乱高下を防ぐ意味で、食事の順番に気を付ける(野菜→魚肉→炭水化物(フルーツはこのタイミングで)。汁物はいつでも可→食後には軽い運動、ラジオ体操、軽散歩などを取り入れる
 ②炎症体質対策オメガ3系の脂を中心に考える。青魚を時々食卓に加える。但し青魚のアレルギーの方は避けること。亜麻仁油やエゴマ油は一日に小さじ一杯くらいが無難。加熱すると酸化してしまうので生食がベター。オメガ6系の脂は、コンビニ食、お菓子類、インスタント食品、市販のドレッシングに含まれているので頻用は避けた方が無難。炒め物は1日1回くらい、揚げ物は週に1回くらいが無難。油の使いまわしは油が酸化してしまうので避けること。
 ③身体の酸化を防ぐ意味で抗酸化作用を有するオクラ、トマトなどを加えると良いでしょう。
 ④短鎖脂肪酸を増やす。酢酸、酪酸、プロピオン酸など。腸内細菌が水溶性食物繊維を分解、発酵させたもの。腸内環境の改善に寄与できます。
 ⑤賞味期限切れの食材を避ける、ことにアーモンドやナッツなどにはカビ毒が発生している場合があるので賞味期限には気を付けておいた方が良いでしょう。
 ⑥小麦関連の食材(グルテン含有)、乳製品関連の食材(カゼイン含有)の食材に偏らないようにする。腸粘膜に負担をかけやすくアレルギーや生活習慣病の引き金になりやすい

食事を整えることの意味は、1.炎症を引き起こさない食事 2.腸の粘膜にダメージを引き起こさない 3.肝臓での解毒に負担をかけない これらの3点が健康維持増進のための要だと思います。