![清水医院 今月のコラム](topics/img/202407.gif)
健康志向が高まっているこの頃、高血圧、脂質異常症、糖尿病など生活習慣病の管理について厚生労働省が生活習慣の面で患者さんに生活指導をしっかりと行うようにとの指針が出ています。しかし、生活指導といっても食事、運動、睡眠などの面で、個々人の体調や病状に応じたきめ細やかな対応が望まれています。
今回は、生活習慣病に対する一般的な食生活における留意点について触れてみたいと思います。要点としては、以前のトピックスでも触れましたが、大別して5点に集約出来ると思います。
①血糖の乱高下を起こさないような食事の仕方、②古い脂、劣化した脂を避けることで体に炎症体質をもたらさないこと、③体に生じた過剰な活性酸素がもたらす酸化を防ぐための食生活を心がけること、④腸内細菌の悪玉菌を減らして善玉菌や日和見菌を増やす(短鎖脂肪酸を増やす)こと、⑤肝臓に負担をかける食材を避けること、の5点に集約できると思います。
具体的には、①食べる順番として、野菜→魚肉(蛋白質や脂質)→炭水化物(汁物はいつでもOK)→フルーツ。食べ終わったら10分程度の運動(散歩、体操など)を行って急激な血糖の乱高下を防ぐ。もし間食したくなったら、蛋白質や脂質を中心に補食するのが無難でしょう。
②レトルト食品、インスタント食品や洋菓子など、頻回な植物油を含んだ食材の摂取はオメガ6系の脂であるため体を炎症体質に導きやすくなります。炎症体質になりにくい脂はオメガ3系のものが良いです。たとえば、青魚や青魚の缶詰がおすすめ。亜麻仁油、エゴマ油(加熱すると酸化しやすいので生食が望ましい)が良いとされています。調味料は減塩が望ましいでしょう。
③抗酸化成分を含む食材(野菜や果物に含まれている)を食べる。過剰な活性酸素の弊害を抑えてくれる緑黄色野菜や赤、黄色の色彩を帯びた野菜や果物が挙げられます。トウモロコシ、キュウリ、トマト、ピーマン、ミカン、レモン、スイカなど。
④腸内環境を整えるには、腸内細菌が水溶性の食物繊維を分解、発酵し、酢酸、酪酸などの短鎖脂肪酸が作られる、それと共に腸内細菌叢のバランスがとれて、食材に含まれる必要な栄養素が消化吸収されやすくなるとともに体に有害な物質の発生を予防してくれる。水溶性食物繊維の具体例として、ネバネバ系の食材(オクラ、もずく、なめこなど)。あとはアボガド、いちご、ゴボウなど。
⑤アルコールの多飲を避ける。アルミホイルにはアルミニウムが含まれているので、食事の際にはアルミホイルはきちんと取り除いてから食事すること。ドライフルーツやナッツ類の古いものを食べるとカビが生えていることがあるので肝臓に解毒という面で負担をかけてしまいやすいので注意が必要です。
以上の点が、生活習慣病の予防対策としての食生活上の留意点と考えています。医食同源、食から健康の維持増進がなされることが要と考えます。ただし、食物アレルギーのある方は、かかりつけの先生にご相談されることをお勧めします。