
中高年の世代にしばしば見られる運動不足をいかに解消したら良いかとの質問をよく受けます。忙しい日常生活のなかで運動する時間を作れないという声が多いようです。たまの休日にジョギングをしたらアキレス腱を痛めたとか、テニスコートで足がつってしまい試合が中断したとか、マラソンに参加したら胸痛を覚え循環器科で心臓に負担がかかっていると指摘されたりとか、腕立て伏せをやりすぎて頭痛や血圧の急上昇を来したりなど、様々な声が聞かれることがあります。
そこで、無理なく出来る運動を考えてみたいと思います。手足を動かす運動もあれば、背筋をピンと張って姿勢を正しながら腹式呼吸による深呼吸もある意味で運動になっているのです。腹式呼吸は肺が膨らんだり縮んだりする際に、横隔膜が上下に運動するので内臓脂肪が燃えやすくなり、ダイエットの意味もあると考えます。会社でコピーをする際には、人に依頼せず自分で席を立ってコピー機までこまめに立ったり座ったり、足を運ぶことも運動になっていると思います。エレベーターを使わずに階段で上り下りをすること
も一案で、とくに階段の下りは膝に負担がかかりやすいので注意しながら下っていくことが望ましいでしょう。食事後には15分位、散歩するのも良いでしょうし、食後にラジオ体操をやることも食後の血糖値の急上昇を抑える意味でも良いでしょう。股関節が弱くて腰痛でお悩みのかたは、デスクワークの際に貧乏ゆすりをすると良い場合もあるようです。かかりつけの整形外科でご相談なさると良いでしょう。日々の何気ない所作や動作も積み重なっていくと、少しは運動不足解消の一端を担えるのではないでしょうか。無理のない範囲内での運動を行ってみるのも良いでしょう。