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トピックス

平成30年度 トピックス一覧

平成30年12月 TOPICS
無理のない範囲内での運動を

清水医院 今月のコラム

 中高年の世代にしばしば見られる運動不足をいかに解消したら良いかとの質問をよく受けます。忙しい日常生活のなかで運動する時間を作れないという声が多いようです。たまの休日にジョギングをしたらアキレス腱を痛めたとか、テニスコートで足がつってしまい試合が中断したとか、マラソンに参加したら胸痛を覚え循環器科で心臓に負担がかかっていると指摘されたりとか、腕立て伏せをやりすぎて頭痛や血圧の急上昇を来したりなど、様々な声が聞かれることがあります。
 そこで、無理なく出来る運動を考えてみたいと思います。手足を動かす運動もあれば、背筋をピンと張って姿勢を正しながら腹式呼吸による深呼吸もある意味で運動になっているのです。腹式呼吸は肺が膨らんだり縮んだりする際に、横隔膜が上下に運動するので内臓脂肪が燃えやすくなり、ダイエットの意味もあると考えます。会社でコピーをする際には、人に依頼せず自分で席を立ってコピー機までこまめに立ったり座ったり、足を運ぶことも運動になっていると思います。エレベーターを使わずに階段で上り下りをすること も一案で、とくに階段の下りは膝に負担がかかりやすいので注意しながら下っていくことが望ましいでしょう。食事後には15分位、散歩するのも良いでしょうし、食後にラジオ体操をやることも食後の血糖値の急上昇を抑える意味でも良いでしょう。股関節が弱くて腰痛でお悩みのかたは、デスクワークの際に貧乏ゆすりをすると良い場合もあるようです。かかりつけの整形外科でご相談なさると良いでしょう。日々の何気ない所作や動作も積み重なっていくと、少しは運動不足解消の一端を担えるのではないでしょうか。無理のない範囲内での運動を行ってみるのも良いでしょう。

平成30年11月 TOPICS
外食、コンビニ食の工夫

清水医院 今月のコラム

今回は、外食、コンビニ食の工夫について触れてみます。
時代の変遷に伴い、共働きや高齢者の独居生活、一人暮らしの勤労者が増える中、食事の スタイルも変遷し、限られた時間の中で食事の準備を迫られる時代になっているようです。 そのような中で、外食やコンビニ食の存在はありがたく心強いものがあります。
蛋白質、脂質、食物繊維、炭水化物、ビタミン、ミネラルなど体を構成している栄養素を手軽に、 健康的に摂取する方法があります。
おかずの単品を複数組み合わせる食べ方です。まず、サラダなどの緑黄色野菜やキノコ類を、 次に肉や魚などの動物性蛋白質の単品をしっかり摂取することです。 それでも満腹感が無い時には豆腐やジャガイモ、あるいは小さな梅干しやおかか入りおにぎりなどを少量食べることです。 おかずの単品を組み合わせて食べることは、食べ過ぎや血糖値の乱高下を予防することができます。 また、サラダにリノール酸や塩分が多めのドレッシングをかけないこともサラダの自然の味を堪能しながら健康維持のためにも一案です。揚げ物は リノール酸の過剰摂取や酸化した油脂の摂取につながる恐れもあるので時々の摂取にして毎日食べることは避けた方が良いでしょう。
冬場はおでんがおすすめです。 玉子、大根、こんにゃく、昆布、にんじん、牛すじ、ごぼうてんなど、 こんぶやかつおぶしなどの和風のだし、蛋白質、脂質、食物繊維、ビタミン、 ミネラルの宝庫ですから、手ごろな健康食だと思います。

平成30年10月 TOPICS
秋バテ

清水医院 今月のコラム

今回は、秋バテについて触れてみます。
 夏季の高温多湿によって引き起こされる不快な身体症状を夏バテと呼びますが、 夏場に体力が落ちて(免疫機能が低下して)秋になって一見夏バテのような症状を示す方が多く、 秋バテとも巷では言われているようです。
これは、夏場に高温多湿の状態が持続した場合、 抵抗力が落ち秋になっても免疫機能の低下が回復しない場合に秋バテになるようです。 陰性食品、寒性食品の過剰摂取が機能性胃腸症を引き起こし食欲低下、 便秘や下痢、倦怠感に悩まされることもあります。 寒暖差が激しい環境下で交感神経と副交感神経のバランスが崩れ、頭痛、めまい、不眠、不安感が出現することもあるようです。
 対策として、①早寝早起き(体内時計の調節に有効)、 ②きのこ類(まいたけ、しいたけ、干しシイタケ、しめじ、松茸など)や ナッツ類(中国では秋のお菓子での代表月餅)は、ビタミン、ミネラル、アミノ酸などが豊富です。 ことに、ビタミンDは免疫機能を高めるとされています。 キノコ類を食べておひさまの下で散歩すると骨代謝に宜しいようです。 ③秋バテの方は生姜、唐辛子、にんにくの過剰な摂取は避けることが望ましい。 温めすぎて乾燥傾向が進んでしまうので、食べ過ぎにはご注意を。

平成30年8-9月 TOPICS
鉄欠乏性貧血

清水医院 今月のコラム

 今回は、女性にしばしば見られる鉄欠乏性貧血について触れてみます。 鉄欠乏性貧血の方は、様々な症状を示すことがあり、様々な診療科の門をたたくことが多いようです。 主な症状は、〇疲れやすい、〇しみ、 そばかす、〇爪のヒビ割れ、〇貧血、めまい、立ちくらみ、頭痛、耳鳴など、 〇頑固なにきび、〇粘膜障害(浮腫、詭弱性)が挙げられます。 肉や魚、ほうれん草などの野菜は鉄分を多く含む食材として有名ですが、 動物性の鉄含有食品と植物性の鉄含有食品を一緒に調理することも鉄の補充の面から見たら有効ではないかと思います。 しかし、鉄吸収を阻害してしまう場合もありますので、その可能性がある日々の食材の摂取上の注意点について触れてみます。
1.-胃酸分泌抑制剤です。服用が長期間におよんでしまうと胃内のPHが上がって鉄吸収率が低下してしまう可能性がありますから、 鉄欠乏性貧血の方は、かかりつけの先生に相談なさると良いでしょう。
2.-玄米などフィチン酸を含む食材では、 鉄や亜鉛の吸収が低下してしまう危険性があるため、鉄や亜鉛を含む肉や魚をやや多めに食卓に添えると良いでしょう。
3.-お茶タンニンを含むため、鉄の腸管からの吸収が低下する危険性がありますから、 タンニンの含有量が高いコーヒーや濃い緑茶は避けたほうが良いでしょう。
鉄欠乏性貧血の方は、食事のレシピにご留意なさることも健康の維持増進の秘訣かもしれません。

平成30年7月 TOPICS
食事、栄養療法 その2~皮膚もいろいろ、食材もいろいろ~

清水医院 今月のコラム

 紫外線が強くなる時期やってきます。日焼けをはじめとして、アトピーや慢性湿疹にお悩みのかたには辛い時期だとお感じになる方も多いと思います。 よく相談を受ける皮膚のトラブルには、アトピー、日焼け、ニキビ、しみ、魚の目、あせも、フケ、床ずれなどがありますが、 これら昨日まで口にしていた飲食物の内容、あるいは組み合わせにいささか改善すべき問題点を含んでいる場合があります。 もっと突っ込んでいうと、昨日まで口にしていた栄養素の過不足引き金となって皮膚の機能が低下した結果として症状が現れてきていると思われます。
たとえば、①皮膚が乾燥してカサカサしている場合は、蛋白質や鉄、ビタミンAなどが不足気味の場合が多く、 漢方では当帰飲子や十全大補湯などがケースバイケースで選択されます。また、②少し盛り上がった丘疹状で掻痒感を伴う場合は、 主に鉄が少ない場合が多いようです。いずれにしても、赤味のお肉やお魚を中心にメニューを考えたら良いと思います。 ③赤味があってジクジクした皮膚には、糖質の過剰摂取や亜鉛不足、ビタミンB,Cなどが不足した場合が多く、 赤味の肉や魚の動物性蛋白質にビタミンCたっぷりの食生活に切り替えて、漢方では炎症を抑えて痒みを軽減させる十味敗毒湯などの漢方製剤を選択する場合もあります。 ④皮膚が硬く苔癬化している場合は、蛋白質やビタミンA,Eなどが減少していることもあるため、赤味のお肉やお魚、 EPAやDHAの多い青みのお魚にビタミンEを十分に含んだ食材をトッピングすることも一案でしょう。 漢方では、駆淤血剤といって血液の流れを円滑にするもの、例えば、桂枝茯苓丸や当帰芍薬散などがケースバイケースで選択されると思います。

平成30年6月 TOPICS
食事、栄養療法

清水医院 今月のコラム

 私たちの心身は、今までに口から飲み食いした飲食物によって形や働きが維持されています。 飲食物の中に含まれている栄養素のバランスと質が重要になってきます。 その一端については、今までのトピックスの中で時々ふれてきました。 食材についての関心はテレビや雑誌で紹介されることが多いですが、 食材に含まれる栄養素をきちんと消化吸収する、 いわゆる栄養素を受け入れる私たちの身体の準備状態が適正でなかったら、 せっかく気を付けて食べたものでも、消化吸収されなければ日々の努力が水泡に帰してしまいます。 睡眠、飲食物の摂取と消化吸収、排泄の3大ポイントが重要です。 食材の品質に気を配ることも重要ですが、睡眠、飲食の消化吸収、排泄の機能が適正でバランスが整って 食材の中の栄養素がミクロレベルの世界で私たちの心身を元気にしてくれるのです。 次回から、食事療法、栄養療法のことについて、もう少し深く触れていく予定です。  
 
 
 

平成30年4-5月 TOPICS
糖質の功罪 その2

清水医院 今月のコラム

 今回は、前回も触れました糖質について、もう少し触れてみます。糖化を防ぐには、充分に睡眠をとること、急激な血糖の上昇を防ぐことが必要だと前回のべましたが、日々の食習慣の中で緑茶を飲むことが糖化防止に良いと言われています。緑茶の中の成分であるカテキンが糖化の進行を抑制できるとされています。一方、既に糖化した物質をAGE(いわゆるサビ、コゲのようなものですが)と呼びますが、体内で作られるものと、食品として体内に入って くるものがあります。生ものにはAGEの含有は少なく、焦げた食材にはAGEが多く含まれていると言われています。AGEが多く含まれた食品は、7%が体内に残留してしまうので焦げた部分は取り除いて食べることが良いでしょう。焦げるような調理方法よりも煮込む調理法がAGEを作りずらいので、体には優しい調理方法だと思います。また、レモンなどクエン酸を含んだ食材を添えると糖の吸収を抑制してくれるので、例えば揚げ物をする前の肉な どの蛋白質にレモンなどをかけるとAGEの生成を抑えられやすくなるとの意見もありますし、揚げ終わった肉に更にレモンをかけると活性酸素対策にも有効だと思います。過剰な糖質が蛋白質に結合してしまう糖化という困った現象から身を守ることが老化スピードを抑えるコツであると思います。

平成30年3月 TOPICS
糖質の功罪

清水医院 今月のコラム

 今回は、食材の中で糖質について触れてみます。糖質は、米、麦、イモなどの炭水化物を構成しているもので、お菓子やスイーツ、フルーツの甘味成分でもあり、エネルギー源でもあります。しかし、人の身体は糖質を過剰に摂取してもそれを全てエネルギーに変換できるシステムにはなっておらず、糖質依存にならないように、脂質を中心に蛋白質、糖質、脂質のバランスが取れたエネルギー産生を考えていこうという流れになってきています。 最近は、糖質依存の食習慣に傾いていますが、過剰な糖質が蛋白質に結合してしまう糖化という困った現象が危惧されています。主に、過剰な糖質は眼、脳、血管、骨、生殖器などの蛋白成分に結合してしまい、各々の臓器や器官の本来持っている機能を非効率的にしてしまいます。たとえば、認知症、視力低下、動脈静脈血管内皮障害、骨粗しょう症、不妊症など様々な診療科にわたって糖化の現れが見受けられます。 糖化予防の要は、血糖の急上昇を起こさないことです。①早食い、食事ぬき後の過食をやめる。②野菜→肉魚→炭水化物(米、パン、麺、イモなど)の順番で食べるように心がけること。③食後に動くこと(太腿筋を動かすこと、屈伸運動がおすすめ)④果物は食後がベターでしょう。その後、体を動かすこと。⑤睡眠はきちんととること。徹夜はダメ(十分な睡眠は糖化を予防するといわれています)。 昔の人が、早寝早起き、腹八分目といったことは理にかなったことだと思います。

平成30年2月 TOPICS
蛋白質の摂り方

清水医院 今月のコラム

 今回は、食材の中で蛋白質について触れてみます。蛋白質は2種類に分類されます。前回も触れましたが、一つは動物性蛋白質です。赤味の食材 、たとえば、牛や豚や鳥の赤味の肉、マグロなどの赤身、白身の魚、青魚などです。アミノ酸、鉄分、ビタミンBなどが豊富に含まれています。青 魚には、EPAやDHAが含まれています。もう一つは植物性蛋白質です。赤味噌、豆腐などの大豆食品が挙げられます。

 最近は、健康志向、ダイエット志向が強いようで、お肉やお魚が敬遠され大豆食品で蛋白質を摂取しようとする傾向がありますが、これは誤った認 識です。植物性蛋白質だけでは必須アミノ酸が補えませんから、動物性蛋白質を一緒に摂取することが大切です。豆腐とお肉の炒め物、御豆と卵の組み合わせなどいろいろな組み合わせがあります。

 次に、蛋白質の役割について触れてみます。蛋白質の役割には3タイプあります。1.構造型の蛋白質といって、皮膚や筋肉の材料になります。コ ラーゲンも構造型の蛋白質です。2.機能性蛋白質といって消化酵素やホルモンの材料にもなります。高齢者は食が細くなるとよく言われますが、これは加齢に伴って消化酵素の量が少なくなってしまいますから、おのずと食べられる量が減ってくるわけです。 3.運搬型の蛋白質といって全身に栄養素や酸素を運搬する蛋白質です。酸素を運ぶのは赤血球に含まれるヘモグロビンが担当しますし、栄養素を運ぶのはアルブミンが担います。

 要は、動物性蛋白質と植物性蛋白質の組み合わせを調理段階で工夫することが望ましいと思います。ただし、各食材に対する食物アレルギーがある 方は、医師に相談し該当する食材の摂取は避けることが必要です。

平成30年1月 TOPICS
冬場の食材の摂り方

清水医院 今月のコラム

 平成30年を迎えました。今年は、食材について少し触れてみたいと思います。冬場の料理で、外気温が下がると、人は低体温を避けるためにも、体を温める食材を好むようです。 体を温める食材といえば、色彩が濃ゆく、 赤色気味で、冬が旬の食材が多いようです。しかも、触った感じが固く水分含有量が少 ない土中で育つもの(たとえばニンジンなど)が多いようです。

 一方、身体を冷やす食材は色彩が薄く、白色調で、夏場の食材が多いようです。こちらは、みずみずしくて、触感が柔らかい夏場に地上で生育するもの(たとえば、キュウリなど)、 あるいは熱帯や温帯地域に生育する食材が多いようです。

 動物性蛋白質では、赤身の食材、たとえば、牛や豚や鳥の赤身の肉、マグロなどの赤身。植物性蛋白質では、赤味噌など。 野菜類では、ゴボウ、玉ねぎなどの食物繊維。穀物や豆類では、玄米、発芽玄米、小豆、白ごまなど。 スパイス類では、赤トウガラシ、山椒など。黒砂糖は温める性質があります。もし、身体を冷やす性質の夏場の食材を食べる時は、煮たり焼いたり、蒸したり、炒めたりなど温性の状態 にして食べると良いようです。また、冷やす性質の食材にあらをまぶして調理すると冷やすパワーが弱められると言われています。 冬場は、身体を温める食材を主に摂取することも良いでしょう。また、冷やす性質のある食材のパワーを弱める手ごろな工夫を加えることも一案でしょう。